René Müller という名前が René Müller と表示されるなら、その GEDCOM ファイルは誤った文字コードで読まれています。UTF-8 のテキストが Windows のテキスト(ANSI と呼ばれることが多いもの)として扱われたのです。この文字化けは、無料の GEDCOM チェッカー(無料ツール、現在は英語のみ)で修復できます。文字化けした行をすべて本来の表示と並べて示し、正確に元に戻せる行だけを直します。
最終確認:2026年10月7日。このチェッカーは私たちが作ったものです。以下の説明は、実際の動作どおりに書いています。
文字化けの見分け方
文字化けには決まったパターンがあります。アクセント付きの1文字が、たいてい à か  で始まる2文字に変わり、引用符は †で始まる3文字に変わります。
| 本来の文字 | 表示 | 本来の文字 | 表示 |
|---|---|---|---|
| é | é | ö | ö |
| è | è | ü | ü |
| ë | ë | ä | ä |
| ç | ç | ß | ß |
| ñ | ñ | ’ | ’ |
GEDCOM ファイルの小さな例です(修復前と修復後)。
Broken:
1 NAME René /Müller/
2 PLAC Köln
Fixed:
1 NAME René /Müller/
2 PLAC Köln
三つの異なる原因
- 文字化けがファイルの中にある。UTF-8 のファイルが Windows のテキストとして開かれ、そのまま保存されました。ファイルにそう書かれているので、どのソフトでも é と表示されます。
- ファイルは正常だが、ヘッダーの文字コードが誤っている。テキストは UTF-8 なのに、ヘッダーには
1 CHAR ANSELや1 CHAR ANSIと書かれています。ヘッダーを信じるソフトでは é と表示され、バイトを見て判断するソフトでは é と表示されます。 - 逆のケース:疑問符や黒いひし形。ファイルは ANSEL か Windows のテキストで、ソフトがそれを UTF-8 として読んでいます。この場合、René は Ren? や Ren� と表示されます。
GEDCOM 5.5.1 の規格では、ヘッダーに書ける文字コードとして ANSEL、UTF-8、UNICODE、ASCII の四つを挙げ、ANSEL を推奨としています。それでも多くの Windows ソフトは ANSI と書き込みます。GEDCOM 7.0 で認められているのは UTF-8 だけです。ソフトからソフトへ渡ったファイルがよく文字化けするのは、こうした経緯があるからです。
無料のチェッカーで直す手順
- GEDCOM チェッカーを開き、.ged ファイルを選びます。ファイルはブラウザの中で読み込まれ、アップロードされることはありません。
- いちばん上に文字コードが表示されます。ヘッダーに書かれている文字コードと、テキストの実際の文字コードです。両者が違えば、チェッカーはヘッダーの文字コードが誤っていると報告します(原因2)。
- 「Garbled characters」の欄に、影響を受けた行の数と、行ごとの現在のテキストと修復後のテキストが表示されます。いくつかの例を確認してください。
- 問題なさそうなら「Also repair the garbled characters」にチェックを入れ、修復したファイルをダウンロードします。ファイル名は -repaired.ged で終わります。
- 修復したファイルを家系図ソフトに読み込むか、GEDCOM ビューアで開いて、名前が正しく表示されることを確かめます。
原因ごとのチェッカーの動作は次のとおりです。
- 原因1:文字化けした部分を修復します。ただし、チェックを入れた場合に限り、文字をバイトに戻したときに有効な UTF-8 になる箇所だけです。それ以外はそのまま残します。誤った文字に置き換えるより、見慣れない文字が残るほうがましだからです。
- 原因2:テキストを実際の文字コードで読み、修復したファイルには
1 CHAR UTF-8と書き込みます。 - 原因3:ANSEL と Windows のテキストを正しく読み、修復したファイルを UTF-8 で書き出します。既知のどの文字にも当てはまらないバイトは数えて表示しますが、復元はできません。
修復で日付、場所、メモ、リンクが変わることはありません。そのほか、改行コードを統一し、空行とインデントを取り除き、欠けているヘッダーや終了マーカーを補います。
ほかの直し方
| 方法 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|
| 無料の GEDCOM チェッカー | 三つの原因すべて。変更前に各行を表示。インストール不要 | 正確に元に戻せない文字化けは、そのまま残る |
| ファイルを作ったソフトから書き出し直す | そのソフトの中で元のデータがまだ正しいなら最善の方法。尋ねられたら UTF-8 を選ぶ | ソフト自身のデータがすでに文字化けしている場合は効果がない |
| Gramps(無料のデスクトップソフト) | ヘッダーが ANSEL の場合、読み込み時にどの文字コードを使うか(ANSEL、ANSI、ASCII、UTF-8)を尋ねてくれる。GEDCOM の書き出しは UTF-8 | ファイルの中ですでに文字化けしたテキストは元に戻せない |
| Notepad++ など、文字コードを設定できるテキストエディタ | バイトを変えずに別の文字コードでファイルを読む、または UTF-8 に変換する | かえって悪化させやすい。すでに文字化けしたファイルを変換すると、さらに文字化けする。マニュアルに ANSEL の記載はない |
文字化けを防ぐには
- ソフトが書き出し時に文字コードを尋ねてきたら、UTF-8 を選びます。
- 書き出したら、一度チェッカーで開いてみましょう。ヘッダーに
1 CHAR UTF-8と書かれ、「Do these names look right?」の欄の名前が正しく表示されていれば大丈夫です。 - GEDCOM ファイルを、ワープロソフトや文字コードを推測するテキストエディタで開いて保存しないでください。
- 古いソフトを使っている人にファイルを送るときは、どの形式が読めるかを尋ねましょう。古いソフトは ANSEL を前提にしていることがあります。逆方向の話はANSEL の GEDCOM ファイルを UTF-8 に変換する方法(英語)をご覧ください。
関連記事:壊れたリンク、重複 ID、ありえない日付(英語)、GEDCOM ファイルの書き出し方、ソフトなしで GEDCOM ファイルを開く方法。
出典
- The GEDCOM Standard, release 5.5.1(文字コード、行の長さ、相互参照 ID、日付):gedcom.io/specifications/ged551.pdf
- FamilySearch GEDCOM 7.0 仕様(UTF-8 のみ、CONC なし、GEDZIP):gedcom.io/specifications/FamilySearchGEDCOMv7.html
- Gramps のソースコード、GEDCOM の読み込み(ANSEL と記されたファイルの文字コード選択):github.com/gramps-project/gramps/blob/maintenance/gramps60/gramps/plugins/importer/importgedcom.py
- Gramps のソースコード、GEDCOM の書き出し(CHAR UTF-8 で GEDCOM 5.5.1 を書き出す):github.com/gramps-project/gramps/blob/maintenance/gramps60/gramps/plugins/export/exportgedcom.py
- Notepad++ ユーザーマニュアル、文字コード:npp-user-manual.org/docs/encoding